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神戸高低差学会 第13回FW 神戸の観測聖地 中央区と兵庫区の境界付近を歩く

神戸高低差学会の第13回フィールドワーク「神戸の観測聖地 中央区と兵庫区の境界付近を歩く」に参加してきました。JR元町駅を出発し、ビーナスブリッジまで登り、宇治川に沿って河口まで至るルートです。

JR元町駅から北上するとすぐに兵庫県庁があります。本庁舎1号館は1966年の築で、耐震性に問題があり、解体が決まっています。この姿もそろそろ見納めですね。

県庁前の歩道橋は、神戸市の市章のような意匠が構造になっています。意識して設計されたものかは分かりません。

東西を通る山麓線から山側は一気に勾配がきつくなります。山麓線に面して諏訪神社の鳥居があり、ここから参道を登っていきます。

参道から横道に入ると、諏訪山公園に行けます。諏訪山公園には金星台と呼ばれる展望台があります。これは、1874年12月9日に太陽・金星・地球が一直線に並ぶ 「金星の太陽面通過」という現象をフランス隊の分隊がこの地で観測したことが由来で、これを記念して碑が建てられています。

ラジオが普及していなかった戦前に、公衆にラジオを聴かせるため、ラジオを内蔵したラジオ塔が全国に建てられ、その一つが諏訪山公園に現存しています。

先述した金星台にちなんで、諏訪山公園の展望台はビーナスブリッジと名付けられました。

恋人の聖地として、かつてはビーナスブリッジに南京錠をかける風習(?)がありましたが、美観上もよろしくないので、南京錠をかける専用のオブジェが作られました。定期的に集まった南京錠を溶かして、足下の銘板にとして埋め込んでいるようです。

ビーナスブリッジからの眺めは、「神戸らしい眺望景観10選」に選ばれ、「ビューポイントサイン」が設置されています。遙か遠くには神戸ポートタワーが見えます。

諏訪山公園から下山し、諏訪神社をお参り。

諏訪神社がある諏訪山町は、険しい山に張り付くように家々が並びます。擁壁に時代を感じますね。

諏訪山町の西端を再度谷川が流れていますが、この地点から二級河川「宇治川」になります。

宇治川に沿って歩くとレトロなショッピングセンターがありました。

宇治川を下っていくと、かつての神戸海洋気象台の跡地に建つマンションが見えてきます。1920年に日本初の海洋気象台として設置され、1999年に廃止されました。

マンションの敷地内には、旧神戸海洋気象台の「石台」がモニュメントとして残されています。「石台」が建物のどこに使われていたかは分かりませんが…

更に宇治川を下っていくと、大倉山公園があります。実業家・大倉喜八郎の別荘であった土地の寄贈を受けて整備されたもので、県人会が各県にちなんだモニュメントを設置しています。写真は栃木県のもので、男体山と中禅寺湖(間違っているかも)をイメージしているとか…

公園内には兵庫県の初代県知事だった伊藤博文像がかつてあり、その台座が残されています。でかすぎる。像は戦中の金属供出で撤去されました。

宇治川は山手幹線の手前で調整池を経て、暗渠になります。

暗渠の上を歩く。左右に架かる高架道路は山手幹線。

宇治川暗渠の両側にはメルカロード宇治川という商店街が並びます。

さらに宇治川を下り、JR線を越えると、兵庫県の里程元標の碑があります。現地の碑を見てもよく分からなかったですが、里程元標は道路の起点を表す道路元標の前身のようで、この碑は相生橋から湊川神社、そして当地と転々としたと記されています。

旧ファミリアホール(旧三菱銀行神戸支店)は解体され、その意匠を残し、現在はタワーマンションになっています。

敷地内には柱の頭部装飾が保存されています。

ハーバーランド横に宇治川の河口があり、ここで暗渠も終わりです。

2024/4/20