きたけんブログ

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メタルギアソリッド2 サンズオブリバティ (レイモンド・ベンソン/角川文庫)

レイモンド・ベンソン 著/富永和子 訳
角川文庫
2011年02月 発売

あらすじ

前作、シャドー・モセス事件から2年後の2007年。かつてシャドー・モセスで秘密裏に開発されていた、二足歩行型戦車・メタルギアの技術情報が流出し、メタルギアが世界中で生産されるようになりました。

シャドー・モセス事件から生還したソリッド・スネークとオタコンは、反メタルギア財団「フィランソロピー」を設立し、世界中に流出したメタルギアの破壊活動をしていました。そんな中、アメリカ海兵隊が新型のメタルギアRAYを開発しているとの情報が入ります。真実を確かめるため、スネークたちは、メタルギアRAYを輸送している偽装タンカーに潜入することに・・・。

感想

同氏の前作「メタルギアソリッド」の続編であり、前作同様PS2ゲーム本編の内容を忠実に再現しています。カモメの糞で滑りそうになったり、敵兵に小便を引っかけられそうになったり・・・変なところもまで忠実です。

さてさて、本作のテーマは、表題にもあるように、「自由(リバティ)」となっています。社会的・政治的規範からの自由。そして、氾濫したデジタル情報を淘汰することによる、規範の調律。

今改めてこの物語を読み返すと、かつて攻殻機動隊S.A.C.の「笑い男事件」で描かれたような、ネット劇場型犯罪に通ずるような思いがします。ネット上での個人個人の思いというのは、恣意的に集合して総意とならずとも、自然発生的に収束し、暴走する可能性を秘めていると。

支配者たる「愛国者達」は、強くなりすぎた個を抑制し、根も葉もない噂や間違った解釈を除去し、自分たちにとっての”真実”を後世に残そうとします。

結局のところ、どうするのがいいのか私には分かりません。支配者として情報を淘汰することは傲慢でもあるし、だからといって個が十分なリテラシーを有しているとも言い難い。一方で権力に対する抑止力としてネットが機能している一面もあります。ま、要はバランスなんでしょうねw

ゲームをプレイした当時、「愛国者達って何やねん」と思ったのも今では懐かしいです。本作を読んで、またゲームをプレイしたくなっちゃいましたorz